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2005年06月18日

SOAでは業務知識に詳しい技術者が必要になるか?

『SOAに基づくシステム開発では、システム構築技術に詳しい技術者よりも業務知識に詳しい技術者がより必要となるか?』

・システム構築技術とは、システムの開発方法論や設計手法、実装手段、開発ツール等に関する技術知識を意味する
・業務知識とは、対象ビジネスの要件や概念、プロセスに関する知識を意味する

投稿者 objectone : 2005年06月18日 05:30

コメント

決勝テーマは、業務コンサルタント対アジャイル開発者のような形の議論になりましたが、それを聞いていて思い出した話があります。

銀行に勤めていた先輩が、密かに信用リスク計算のプログラムを自分で書いていたのですが、プログラムが書けることが周りに知れるとシステムの仕事ばかりやって来て困るので、わざわざ協力会社の技術者に開発を依頼して自分では作っていないふりをしていた、という笑い話のような本当の話です。

SOAによって、業務コンサルタントがシステムの仕様をより明確に定義できるようになり、開発技術者が高い生産性で仕様に合ったシステムを実現できるようになるのだとしたら、お互いより幸せになれるでしょう。そうなると、このテーマのYes/Noは、現状の不幸な業務コンサルタントと不幸な開発技術者のどちらをより多く救えるかの違いに過ぎないのかもしれません。あくまでも理想の話ですが。

皆さんは、どう考えますか?

投稿者 青木 : 2005年06月22日 16:23

当日残念ながら参加できませんでした。(すみません)特にこのテーマは興味があったのですが。どのような議論になったのでしょうか?

私のイメージではSOAの導入によってシステムはサービスという形で部分的にアウトソースされるので本当の意味での企業ノウハウだけが自前で残るのかなと思っています。

競争力のない一般的な業務知識しか持たないSEは今ほど通用しなくなり、企業独特のノウハウに詳しいお抱え技術者が活躍できるようになると考えてます。

オープンな技術力を売りにしている人は隙間を埋めるぐらいしか出来ないんでしょうか? 課題です。。

投稿者 フクイ : 2005年06月24日 18:35

当日の議論は、「SOAにより上流の業務コンサルの付加価値がより高まる」という肯定側に対して、否定側が「SOAで顧客の要求が高まれば、それに応えてちゃんと動くシステムを作ることができる(顧客との継続的な信頼関係を築くことができる)優れた開発技術者の付加価値が高まる」というような主張を展開していました(形勢的には否定側が苦戦していましたが...)。

確かに、SOAによって「サービス単位でのアウトソース」が進むと、企業ノウハウはより上流へとシフトし、開発技術面では「企業独特のノウハウに詳しいお抱え技術者」くらいしか活躍しにくくなる面はあると思います(継続的な顧客との信頼関係がより重要になると言う意味でも)。

それでも「オープンな技術を売りにしている人」がその腕を生かす方法はあると思います。直球勝負なら、ズバリ、SOAの構築技術自体(開発環境)の進化に貢献する、というのはどうでしょうか?

SOAを前提にできるようになれば、サービスコンテナベンダが狙うようなグローバルな開発環境以外に、ドメインやプロセスに依存した(ある種ニッチな)開発環境へのニーズも高まるように思います。究極は、業務に詳しい利用者が自分の欲しいシステムをすぐに作れるように支援する開発/実行環境です。汎用的なものは無理でも、ドメインやプロセスを限定すればチャレンジする価値はあるかも...。

結局、SOAでIT業界の「中抜き」が起こるとしたら、中途半端な開発技術者を削減するための「究極の開発技術者」が大いに求められるようになる、ということなのかもしれませんね。

投稿者 青木 : 2005年06月29日 20:52